第170章

鴉崎理?

いつの間に、ここに?

鴉崎響は考える間もなく、低く吼えた。「すぐに追い出せ!」

だが、その言葉が終わるや否や、月見華は弾かれたように顔を上げた。

虚ろだった瞳に、かつてない強烈な光が宿る。

「鴉崎理……」彼女はうわ言のように呟き、次いで叫んだ。「通して。彼に会わせて!」

「きさま!」

鴉崎響は猛然と振り返った。その目は殺気を帯びている。

脳裏に、以前耳にした言葉がよぎる。

彼女が愛しているのは、最初から最後まで鴉崎理だけなのだと。

心が、冷え切っていく。

だがそれがどうした。

たとえあの男に会ったところで、何が変わるというのか。

彼女は俺の妻だ。それは永遠...

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