第17章

単に容姿が似ているというだけではない。あの女がふとした瞬間に見せた微笑みこそが、鴉崎響の疑念を深めていたのだ。

月見光は胸の内に湧き上がる焦りを押し殺し、とっさに鴉崎響の腕にすがりついた。そして、甘えるような猫なで声で宥めにかかる。

「響さん、きっとお疲れなんですよ。また……お姉ちゃんのことを思い出してしまったんですね。でも、こちらは朝霧さんです。M国から帰国された朝霧家の当主ですよ? お姉ちゃんであるはずがないじゃありませんか」

彼女は暗に鴉崎響へ目配せし、落ち着くよう促した。

だが、鴉崎響は食い入るような視線を月見華から外そうとしない。眼底に宿る疑いの色は、薄らぐどころか濃くなる...

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