第179章

病室のベッドに横たわる鴉崎響は、以前にも増して生気を失い、土気色を帯びていた。

その容態は芳しくなく、見る者の心に不安の影を落とすほどだった。

月見華はベッドの傍らに歩み寄り、ゆっくりと腰を下ろす。

懐かしくもあり、どこか他人行儀にも見えるその寝顔を見つめると、記憶の奔流が潮のように押し寄せてきた。

彼女は深く息を吸い込み、喉奥の熱い塊を必死に飲み下すと、そっと手を伸ばして彼の手の甲に触れた。

「鴉崎響、聞いて」

その声は羽のように軽かったが、奇妙な重量感を伴っていた。

「聞こえているのは分かってるわ。あなたがここで眠っているのは、半分は怪我のせいだけど、もう半分は……あなた自...

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