第24章

驚きから我に返る間もなく、月見華は早足で立ち去っていく。

その時、彼の携帯が鳴った。漆野哲也からだ。

「鴉崎社長、朝霧さんの車がやられました。ペンキをかけられ、窓ガラスも割られています。場所はホテルの地下駐車場です」

鴉崎響の瞳孔が鋭く収縮した。

「どういうことだ。調べたのか?」

俺のシマで騒ぎを起こすとは、いい度胸だ。

「確認しましたが、駐車場のそのエリアの監視カメラが……ちょうど故障中で、点検待ちだそうで……」

漆野哲也の声は緊張で震えている。Y国での強制労働送りにされるのを恐れているようだ。

「急がせろ」

鴉崎響は冷たく言い放った。

駐車場には、赤いペンキで無惨に汚...

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