第43章

鴉崎響が飛び出していった後、その場に残された者たちは呆気に取られ、顔を見合わせた。

だが、その硬直した空気は、すぐに下卑た笑い声によって打ち破られた。

「おいおい、今の見たかよ。マジで月見華だったぞ。昔、響さんを追い回してたあの女」

「悪運が強いってレベルじゃねえな。何年も前に死んだはずだろ? 響さんへの執着心、ハンパねえな」

「つーか、一度死んでさらにイイ女になってなかったか? さっき引き止めた時、うっかり手に触っちまったんだけどよ、蜜を塗ったみたいにすべすべで……へへっ」

男がそう言うと、さらに大きな哄笑が巻き起こった。

しかし突然、その笑い声がぴたりと止む。

月見華の手に...

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