第60章

「どうしてここに?」

背中のファスナーが引き上げられる感触に、月見華はハッとして振り返り、鋭く言い放った。

「出て行って!」

鴉崎響は鼻で笑うと、興味深そうに彼女の滑らかな肩を見つめた。その瞳がわずかに細められ、不機嫌な色が宿る。

このドレス、少し露出が過ぎるのではないか。

「恩を仇で返すつもりか?」

彼は眉を挑発的に上げた。

立ち去るどころか、逆に部屋のドアを閉めてしまう。

そしてドアに背を預けて腕を組み、冷ややかな笑みを浮かべて彼女を一瞥した。

「朝霧さん、わざとこの部屋の前を通りかかり、服を汚して……随分と手垢のついたシナリオだな。俺の気を引きたかったのか?」

「な...

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