第63章

「放して! 放してよ!」

心は宙ぶらりんになった足をばたつかせた。

「助けて! 誰か助けて!」

「喚け、もっと喚け!」

空見涼弦は下卑た笑みを浮かべ、彼女を目の高さまで持ち上げた。

「誰が助けに来るってんだ? 今日中にテメェの親を呼び出して問い詰めてやらなきゃ、俺の気が済まねえんだよ!」

親を呼ぶと聞いて、心は一瞬にしてパニックに陥った。

ママにこっそりここへ来たことがバレたら大変だ。それに、この悪いおじさんに正体を知られるわけにはいかない。

しまった、大失敗だ!

「おじちゃん、人違いだよ。私、おじちゃんのことなんて知らない……」

心はボロボロと大粒の涙をこぼし、同情を誘...

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