第64章

彼女は言葉を切り、窓の外に広がる重苦しい夜の闇に視線をやった。

「それに……彼と月見光の関係がどうなろうと、くっつこうが別れようが、そんなことはもう私には関係ないわ。あの人たちのために、これ以上わずかな時間も労力も浪費したくないの」

天ノ川夢乃は心中を察し、小さくため息をついた。

「そうね……あなたの言う通りだわ。あんな連中のために心を砕くなんて、本当に無駄なことよ」

夜が更け、別荘に静寂が戻る頃。

心は枕の下から、子供用のスマートウォッチを取り出した。

手慣れた様子で画面を操作し、奇妙なアイコンの隠しアプリを起動する。

これは八朔おじさんに教えてもらったものだ。「悪い奴の悪事...

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