第65章

その後、彼は月見家に出入りするようになり、家族との接触も頻繁になっていった。

月見華の姿も目にした。もしかすると、自分を助けてくれたのは彼女ではないかと考えたこともあった。だが、すぐにその考えを打ち消した。彼女の性格は捻じ曲がっている。来る日も来る日月見光に突っかかり、両親や兄を苛立たせているような女だ。そんな人間が、他人を資助するような善行を行うはずがない。

自分を救ってくれたのは月見光だ――彼はそう確信していた。

だからこそ、彼は月見光への恩返しを続けてきた。彼女の身に降りかかるトラブルを、数え切れないほど処理してきたのだ。

しかし誰が想像しただろう。今日、彼のその信仰が揺らぐこ...

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