第69章

「うん、あの子だよ!」

鴉崎曇空は大きく頷いた。先日、心ちゃんからきつく言いつけられていたのだ。『琥珀千紗の前で、私の名前を呼んじゃダメだよ』と。

琥珀千紗は慈愛に満ちた笑みを浮かべ、鴉崎曇空の手を引いて心へと歩み寄った。

「こんにちは、お嬢ちゃん。また会ったわね」

琥珀千紗は心の目の前で足を止めた。

その瞬間、心の中で最大級の警報が鳴り響く。

彼女は礼儀正しく、しかしどこか余所余所しい笑みを浮かべて挨拶を返した。

「琥珀おばあさま、こんにちは」

「いい子ねえ」

琥珀千紗は心の小さな顔をまじまじと観察した。見れば見るほど、その目元の面影が幼い頃の息子に瓜二つなのだ。

胸の...

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