第78章

薬が届くと、説明書にある通りの用量を、無理やり彼に飲ませた。

その間、鴉崎響は駄々をこねる子供のように抵抗し、月見華の肌にはじわりと薄い汗が滲んだ。

全てを終えた頃には、心身ともに疲労困憊だった。

ソファの傍らに椅子を引き寄せ、腰を下ろす。いつしか彼女は背もたれに体を預けたまま、浅い眠りに落ちていた。

一時間余りが過ぎた頃。

鴉崎響は重たい瞼をゆっくりと持ち上げた。

視界の端、そう遠くない場所に月見華が座り、寝息を立てているのが見えた。

記憶が混濁している。

酷い気分の悪さの中で、彼女の姿を見たような、あまつさえ口づけをしたような……。

あれは、夢ではなかったのか?

その...

ログインして続きを読む