第6章
彼が手術台から私を置き去りにした理由をどう説明しようとも、辻褄が合うことはなかった。だから私たちはまた、沈黙に陥った。
リビングのソファに腰掛けて原稿を読んでいた私は、下腹部にずしりと重く、耐え難い痛みを感じた。痛みは午後から始まっていた。最初は断続的だったので気に留めていなかったが、今となっては無視できないほどになっていた。
私はこめかみをもみ、総合病院で診てもらうことにした。
「どうした?」
松尾修が私の異変に気づく。
「なんでもない。下腹部が少し痛むから、病院に行ってくる」
私は立ち上がり、痛みを懸命に隠した。
松尾修は眉をひそめる。
「こんな時間じゃ電車は...
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チャプター
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