第104章

これは良い兆しだ、と彼女は感じていた。

将来、自分と高橋祐介が一緒に暮らすようになれば、互いの感情もゆっくりと育んでいけるはずだ。

そう考え、葉山梓は微笑みながら高橋祐介に視線を送った。

一方、藤原未咲は親友のそんな様子には全く気づいていなかった。

彼女は一声挨拶をすると、高橋祐介と共に車を降りた。

車を降りた二人の視界に、見慣れた人物の姿が飛び込んできた。

よく見れば、それは神崎竹史だった。

以前、父の命を救ってくれたのが神崎竹史であることを覚えている藤原未咲は、すぐさま恭しい態度で出迎えた。

「神崎様、急にお越しになるなんて、何かあったのですか?」

藤原未咲を見つめ、神...

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