第108章

その言葉を聞き、尾川正章は鼻で笑った。

「あんな気色悪いもん、お前の世迷い言で飲みたくなるわけねえだろ? 心理学の暗示ってのは、そんな単純なもんじゃねえんだよ」

その様子を見て、高橋祐介は不敵な笑みを浮かべる。

「確かに常識で考えれば、君にとっては難しいことだろう。だが――私には造作もないことだ」

そう言うと、高橋祐介は瞳に霊力を練り上げた。

そして、尾川正章の視線を真正面から捉える。

「今の君は激しい喉の渇きを覚えている。その渇きを癒やすことができるのは、尿だけだ」

最初こそ尾川正章の表情には葛藤の色が浮かんでいたが、すぐにその瞳は焦点を結ばなくなり、虚ろなものへと変わってい...

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