第122章

その言葉を耳にして、藤原太郎は深い溜息を漏らした。だが、彼には掛けるべき言葉が見つからない。

あの老婦人が自分たちに対して非道な振る舞いをしたのは事実だ。しかし、彼に命を与えてくれた母親であることもまた、紛れもない事実なのだから。

そんな夫の葛藤などお構いなしに、小林美穂は高橋祐介を問い詰めた。

「ちょっと、内装工事の件はどうなってるのよ! 随分前に急がせろって言ったじゃない」

「あのババアたちが落ちぶれて橋の下で野宿する無様な姿を横目に、私たちが大豪邸で優雅に暮らす……ああ、もう待ちきれないわ!」

高橋祐介は表情を変えず、淡々と答える。

「向こうの話では、あと一ヶ月もあれば完工...

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