第131章

その言葉には耳も貸さず、武本義昭はまっすぐに教室へと足を向けた。

興味本位の野次馬たちが、ぞろぞろとその後をついていく。

教室に入ると、武本義昭は大げさに呆れたような顔を作って口を開いた。

「俺たちが昔、ちやほやしすぎたのがいけなかったんだよ! 向日美香に引かれちまって、彼女は一番金持ちの男をただの盾にしただけさ」

「よく考えてみろよ。卒業した途端、向日美香はすぐに海外へ行っちまっただろう?」

その言葉に、周囲の者たちは納得したように頷いた。

向日美香が海外へ渡ったことは、周知の事実だったからだ。

武本義昭は藤原太郎を横目で一瞥すると、さらに畳みかけた。

「藤原太郎は長男だが...

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