第257章 ついに対面

フライトの到着予定時刻は十時三十五分頃で、今はまだ九時半だ。

それに相手は海外からの帰国便だから、入国手続きなどにも時間がかかるだろう。

早くても十一時頃にならないとゲートからは出てこないはずだ。

しかし、藤原太郎の機嫌はすこぶる良く、ここで一時間以上立ちっぱなしでも全く疲れを感じていなかった。

十一時五分を少し回った頃、到着ロビーのゲートから数人の乗客が姿を現した。

太郎は花束を抱え、興奮を隠しきれない面持ちでその中の一人を見つめた。

そしてすぐさま、黒のロングドレスを身に纏った中年女性に向けて両手を大きく振った。

「美香!」

その声に気づいた女性が反射的にこちらを振り向く...

ログインして続きを読む