第347章 人はすでに送られてきた

「今回の尾川家の危機は、すべて連城和成のせいです。これで一族の資産は少なくとも半分は吹き飛んだはずです。自分のことで手一杯の彼らが、わざわざあの子を連れ帰るはずがありません!」

上田明は確信に満ちた口調でそう言い切った。

高橋祐介は気にも留めない様子で不敵な笑みを浮かべた。

「資産が半分吹き飛んだ、か。なら都合がいい。松本家の力をさらに強大にし、尾川家の地位を奪い取ってやるさ」

「その暁には、松本家が沿岸部トップの一族に君臨することになる」

「若様、何かご入り用の際は、何なりとお申し付けください」

上田明は恭しく頭を下げた。

「ああ」

高橋祐介は小さく頷き、眼下に広がる見慣れ...

ログインして続きを読む