第369章 野菜泥棒

その人物は手早くトマトを二つ、キュウリを二本もぎ取ると、次の瞬間にはレタスへと手を伸ばした。

その光景を見た小林美穂は、二階から怒鳴りつけた。

「ちょっと、あんた誰!? うちの畑のもの盗む気!?」

その声が飛んだ途端、相手はさっと庭から離れた。

小林美穂は慌てて目を凝らす。――そこにいたのは、なんと藤原おばあさんだった。

美穂は怒りのままに叫ぶ。

「このクソばばあ! よくも恥知らずにうちへ来て野菜盗むなんて! 今すぐ警察呼んでもいいのよ!?」

藤原おばあさんはすでにいくつも摘んでいるというのに、美穂の罵声を聞いても逃げるどころか、二階の美穂へ挑発するような笑みを向けてきた。

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