第380章 佐能家父子の惨状

最近、深山の冷え込みがひどい。こんな時期にわざわざ外へ出ようなんて、誰も思わない。

だが佐能家の父子は違った。経験がないせいで、普段採れるのは小さな人参ばかり。それでも佐藤立夫のほうで「人参で生活必需品と交換すること」ときっちり決められている。

この寒さだ。毎日消費する熱量は大きい。食べ物も日用品も、要るものは山ほどある。

今日も山を一周したが、見つけられたのは小人参が三本だけ。交換できた物資は、ちょうど一日分が精いっぱいだった。

佐能哲広は腹が減って力が入らず、手先まで凍えて感覚がない。佐能記由は若い分まだましだが、それでも身体にかかる負荷の大きさを痛感していた。

山ではもう雪が...

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