第392章 裏切り

「どうして不意打ちなんてしたんだ?」

出村良三はその場に崩れ落ちた。脚の感覚がまるでない。必死に体をねじって傍の隊員を見上げ、怒りをぶつける。

隊員は慌てて首を振った。

「隊長、違います! 俺がやろうとしてやったんじゃないんです。高橋祐介に蹴り飛ばされて、隊長のほうへ……!」

言い終えた瞬間、隊員の目つきが変わった。何かに気づいたように声を荒らげる。

「……隊長。みんなで力を合わせるって言ったじゃないですか。なのに、なんで隊長だけ逆方向に走ってたんです? まさか、俺たちを見捨てて――裏切るつもりだったんですか?」

不意に突きつけられた疑いに、出村良三は言葉を失った。

本当は隊員...

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