第404章

尾川晶夫はこくりとうなずいた。

「もし松本家と一緒になれたら、俺たちの暮らしも少しはマシになるかもしれない!」

尾川賢治は、やりきれない溜め息を漏らす。うちの息子は、本当に理想に寄りすぎる。

尾川家がいちばん勢いのあった頃でさえ、松本家は縁談に乗ろうとしなかった。なのに、尾川家が傾いた今になって、なぜ結婚の話が出る?

――理由は、ある。

けれど賢治は、その本音を息子にぶつけなかった。これ以上、晶夫の自信をへし折るわけにはいかない。

それが尾川賢治の弱さであり、尾川秀和に及ばないところでもある。

秀和は若い頃、何もかも自分の頭で考え、自分の手で始末してきた。だが、ある程度の地位を...

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