第412章 誕生日宴が始まる

宴はほどなくして始まった。

松本家の老婦人がシャンパンを掲げ、招待客へ向けて口を開く。

「本日は、高橋さんにお越しいただきまして、誠にありがとうございます。孫の松本夢子の誕生日パーティーです」

その言葉を聞いた瞬間、鶴来大智の表情が、苦虫を噛み潰したように歪んだ。

自分は鶴来大智だ。松本家の宴に顔を出すだけで、こちらが「格」を与えてやっているようなものだ。それなのに礼の口火を切る場面で、真っ先に自分の名が呼ばれないだと?

視線が、高橋祐介へと落ちる。

身につけているのはどう見ても安物。そんな男が、なぜ松本家に特別扱いされる。

そのあとでようやく、老婦人は鶴来大智にも礼を述べた。...

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