第421章 滅多にない好機

今回の誕生日パーティーは、皆が心から喜んでいた。

松本家の面々も、松本夢子がもたらす利益を冷静に計算し終えると、彼女が松本家の家主になることに一切の異論を挟まなかった。

ただ一人――松本大介の胸の内だけが、どうしようもない悔しさで満ちていた。

別の席に座っていたジョゼは、宴が終わったのを見届けると自ら高橋祐介のもとへ歩み寄り、恭しく口を開いた。

「高橋さん、やはり私がお送りいたします」

高橋祐介が頷きかけた、そのとき。

松本夢子がふいに二人の前へ出てきた。頬をほのかに染め、はにかむように言う。

「ジョゼ、今日はもういいわ。高橋さんは――私が送ります」

ジョゼにも分かった。松本...

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