第424章 離れる

「わかってる!」松本夢子はこくりとうなずいた。

松本夢子の返事を受けて、高橋祐介は時間を確認する。

「もう遅いし、そろそろ帰ろう。きっと君のおばあさんも家で待ってる。俺はそう思う」

その言葉を聞いた途端、松本夢子の胸に、名残惜しさがじわりと広がった。

こうして高橋祐介と、二人きりで話せる機会なんて、今まで一度もなかったのだ。

それも――彼女にとって特別な意味を持つ、この場所で。

本当は今すぐ言いたかった。高橋祐介が好きだ、と。

けれど彼は既婚者。そう理解しているからこそ、胸の奥で暴れ出した衝動を、ぐっと押し込めるしかない。

松本夢子はやわらかな声で言った。

「高橋さん……じ...

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