第432章 望まない

「ずいぶんお気楽に言ってくれるじゃないか!」

藤原公雄が怒鳴り返した。「あの女は他人の子を身ごもっただけじゃない。俺に性病までうつしやがったんだ。俺はいま毎日病院で点滴だぞ。医者には、治るまでずっと続けろって言われてる!」

その訴えにも、藤原おばあさんは顔色ひとつ変えずに言った。「あんたがいつまでも福田彩花のことを引きずってるからだよ。だから周りも、福田彩花の件であんたを叩いてくる。気にしなきゃ、向こうだって武器にできない」

藤原公雄は、どうしようもなくため息をついた。

母の言うことが、図星だったからだ。

いま彼と福田彩花は別居中。尾川家が許さなければ、とうに離婚していたはずだ。も...

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