第436章 団地に入る

高橋祐介は、周りからじろじろ見られるのが好きじゃない。だから藤原未咲を連れて、先に団地の中へ入った。

二人が来るのが早かったせいか、まだ起きていない住人も多い。

この時間でさえ、これ以上遅ければ中に入るのも一苦労だっただろう。

高橋祐介が時刻を確認する。まだ朝の八時前だ。

藤原未咲は団地に足を踏み入れた途端、ふっと懐かしそうに息を吐いた。

「私たちがまだ同級生だった頃、一度来たことがあるの。まさか……こんなに年月が経っても、まだここに住んでるなんて」

周囲の古びた建物に目をやり、高橋祐介は眉をひそめる。

「……ずいぶん小さいし、傷んでるな」

「うん、小さいよ。彼女の家なんて二...

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