第449章 離れるな

「母さん。俺のためだってのは分かってる。でも……母さんに操られる人生なんて、俺は大嫌いだ。これからはもう、俺を思いどおりにしないでくれ!」

山越英夫は表情ひとつ変えず、静かに言い切った。

すると山越邦生も、怒気を隠さず口を開く。

「このバカ息子が。今日ここを出て行くってんなら、これから先、山越家の金は一銭もやらん!」

その言葉を受けても、英夫は淡々としていた。

「好きにすればいい。俺はいらない」

英夫が立ち去ろうとした瞬間、山越菜々枝が周囲に向かって声を張り上げる。

「ちょっと、あんたたち! 英夫を止めなさい! 今日は絶対にここから出しちゃだめ! 出て行くなら――その女が出て行...

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