第55章

佐藤立夫は高橋祐介の言葉の意図が分からなかったものの、言われた通り紙と筆を取り出してすべてを描き写した。

すぐに彼らは、その模様が非常に奇妙なものであることに気づいた。

「この模様、まるで魔法陣のようだな」

佐藤立夫のその言葉を聞くや否や、高橋祐介に捕まえられていた中村雄大は信じられないという表情で図面の前に歩み寄った。

「そんなまさか...」

中村雄大は詐欺師ではあったが、こういったものについては多少知識があった。

だから魔法陣を手に取ると、注意深く見つめた。

しかし見れば見るほど、彼の顔色は悪くなっていった。

「すみません、この金は受け取るべきではありませんでした。あなた...

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