第58章

「でも会社を立ち上げるなら、資金と顧客が一番大事じゃないですか。その二つを手伝わなくていいなら、どうするつもりなんですか?」

高橋祐介は少し驚いた。

まさか自分の奥さんが手伝いを断るとは思わなかった。

藤原未咲は輝く瞳で高橋祐介を見つめながら言った。

「私がどうするかは重要じゃないの。あなたが表に出ないことが大事なの!もしあなたの言うような悪意を持った人たちに目をつけられたらどうするの?」

こんな時でも自分のことを心配してくれているなんて!高橋祐介の心は一気に明るくなった。

しかし、まったく手伝わないわけにはいかない。

彼は密かに人を探すことができる。

心の中では別の考えがあ...

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