第6章

「こんにちは、お名前と予約の有無を教えていただけますか?」

受付は藤原未咲を見ると、親切な笑顔を浮かべた。

藤原未咲は少し躊躇した。

「藤原未咲と申します!予約はしていませんが」

元々、藤原未咲は自信がなかった。

昌栄グループはそう簡単に入れるところではないからだ。

しかも昨日、石川仁と藤原麗の二人が清掃員にほうきで追い出されたという話を聞いていた。

それを思い出し、藤原未咲は顔に少し困惑の色を浮かべた。

ところが受付は彼女の名前を聞くと、目を輝かせた。

「藤原未咲さんですね?」

相手の態度に、藤原未咲は驚いた。

「はい、そうです!」

彼女の返事を聞くと、受付は嬉しそ...

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