第64章

しかし、人類の観測機器が彼の姿を捉えてしまう可能性は高い。

無用な騒ぎを起こさぬよう、やはり車で移動するのが賢明だろう。

高橋祐介が拒絶しなかったのを見て、松本夢子は光栄に満ちた表情を浮かべる。

彼女は恭しく高橋祐介の傍らに歩み寄り、どうぞ、と手で示した。

二人が去った後も、屋敷に残された人々は衝撃から立ち直れずにいた。

誰かが、震える声で呟く。

「あの高橋さんこそ、まさに聖主様の代行者に違いない! とてつもない御方だ!」

一人がそう口にすると、他の者たちも次々に同意の表情を浮かべた。

神崎竹史は例の物を大切にしまい込むと、彼らに向かって言い放つ。

「高橋さん...

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