第71章

食卓にそれらの品が並べられたタイミングで、ちょうど藤原未咲が部屋に入ってきた。

「今日は何を準備してくれたの? すごくいい匂いがする」

未咲はうっとりとした表情を浮かべる。

それは、以前自分が購入したどんな香水よりも芳しい香りだった。

未咲の問いかけに、高橋祐介は微笑んで答える。

「ただ薬を煎じていただけですよ。食べ物の匂いではありません」

その言葉を聞いて、未咲は昨晩のことを思い出した。

そういえば祐介は、今日薬を調合すると言っていた。

それも、父の病気を治すための薬だ。

そう思うと、彼女は少し心配そうな眼差しを高橋祐介に向けた。

「本当に……効くのかしら」

父ももう...

ログインして続きを読む