第72章

その言葉を耳にするや否や、景山明は即座に居住まいを正して携帯電話を取り出し、一本の電話をかけた。ほどなくして、そのマンションの中でも「楼王」と称される最高級物件のカードキーが、高橋祐介の目の前に届けられた。

高橋祐介は、差し出されたカードキーを受け取る。

その傍らで、景山明は手にした薬を凝視しながら、胸の内で激しい興奮を覚えていた。

そんな中、高橋祐介は視線を松本夢子へと移した。

「今回の薬液についてですが、松本家には必要な宝飾品を提供していただきました。今後も長期的な協力関係を築いていきたいと思っています。しかし、宝飾品の材料は以前の薬材ほど希少ではないため、お渡しできるのは一本の...

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