第78章

高橋祐介が口を開くと、場の空気は一変し、それまで談笑していた周囲の人間も表情を引き締めた。

一刻の猶予もないことは全員が理解している。彼らは無駄口を叩かず、即座に行動を開始した。

高橋祐介は車を飛ばし、病院へと急行する。

病院に到着すると、佐藤立夫の部下から教えられた病室へ向かった。廊下で待機していたその部下は、高橋祐介の姿を認めると恭しく頭を下げる。

高橋祐介は軽く頷いてそれに応えた。

病室に入ると、二つのベッドが置かれていたが、人影があるのは一つだけだった。

よく見れば、そこにいたのは義母の小林美穂ではないか。

「お母さん! どうしたのよ、電話にも出ないで!」

藤原未咲は...

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