第80章

そう言って、高橋祐介は小林美穂を冷ややかな目で見据えた。

「私が何を企んでいると言うんですか?」

その視線に射貫かれ、小林美穂はハッと酔いが覚めたような顔をした。

すかさず、傍らに控えていた神崎竹史が口を開く。

「高橋さんと私は、心から患者を救おうとしただけだ。それなのに、まさかこれほど疑われるとは……あなたたちには失望しましたよ」

彼は以前から、この家族が高橋祐介を軽んじる態度に腹を立てていたのだ。

すでに薬は投与され、頭蓋内に溜まっていた鬱血もすべて排出されている。この患者は間もなく目を覚ますだろう。そうなれば、彼らへの汚名は自然と晴れるはずだ。

「あなた方は、この神崎竹史...

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