第85章

神崎竹史がS市に残る以上、彼の連れ合いも当然、この街に腰を据えることになるだろう。

そうなれば、今後また接点を持つチャンスが巡ってくるのではないか?

利便性を考慮し、神崎竹史は自身の診療所を開業していた。

だが、高橋祐介は多忙を極めており、開業の折には顔を出すと意思表示をするに留まっていた。

ある日、高橋祐介が出かけようとした際、不意に藤原未咲に呼び止められた。

「病院のほうはお母さんに任せたわ!」

「今日はパーティーに付き合って」

その言葉に、高橋祐介は首を傾げる。

パーティー? 初耳だった。

「今回のパーティーは昌栄グループ主催の交流会なの。協力会社が集まって、親睦を深...

ログインして続きを読む