チャプター 1

ジュリア視点

誰も私の十八歳の誕生日を覚えていなかった。

二階の自室で、私は台所の天井を見つめたまま、階下で家族がばたばたと動き回る音に耳を澄ませていた。いつもと変わらない火曜日の朝を整えるための足音と物音。私の十八歳の誕生日――すべての狼人間が待ち焦がれる日、ついに自分の狼が目覚め、群れの正式な一員になる日――なのに、ほかの日と何ひとつ変わらない日みたいだった。

別に驚くことでもない。三日前、私たちはエリックの二十一歳の誕生日を、盛大なパーティーで祝ったばかりだ。両親は裏庭をまるごと会場に変えて、フェアリーライトを張り巡らせ、音楽係を呼び、群れの半分が腹いっぱいになるほどの料理を用意した。金の子、将来の戦士、二十一歳にして高校のアメリカンフットボール部のコーチ――エリックは、それくらいされて当然の存在だった。

私はベッドから転がり出て、鏡に映った自分の顔を見た。少なくとも、子どもの頃ずっと私を悩ませていた赤ん坊みたいな肉付きは消えている。高校に入ってから顔はすっきりした。でも遅かった。社交のダメージはもう取り返しがつかない。「ぽっちゃりジュリー」というあだ名だけが、ぽっちゃりしていなくなっても、しつこく貼り付いたままだった。

「ジュリア!遅刻するわよ!」階下から母の声が飛んだ。

私はため息をつき、リュックをつかむと、薬草ノートを押し込んだ。私の小さな情熱――狼人間のさまざまな不調に効く薬草を記録していくこと。もっとも、力が頭より尊ばれる伝統的な群れでは、そんなもの誰も気にしない。看護師になりたいという夢も、よくて無関心、悪ければ真正面からの一蹴だった。

台所では、父がスマートフォンに釘付けだった。たぶんベータとしての用事だろう。母は私にトーストを渡し、妹のソフィアは写真共有アプリを指でめくりながら、ときどき父に画像を見せては、上の空の「ふーん」で返されていた。

「おはよう」私は探るように言った。もしかしたら、何かサプライズが――。

「遅いわよ」母は弁当を詰める手を止めずに言った。「帰りに牛乳買ってきて」

サプライズどころじゃない。

そこへエリックが入ってきた。肩にはジムバッグ。「父さん、今夜、若い連中を何人か連れて追加トレーニングする。いいよな?」

父は満足そうにうなずく。「いい心がけだ、息子よ」

「エリック、学校まで乗せてって」ソフィアはもうブランド物のリュックをつかみながら言った。「メーガンがネイサンの新しい車のこと上げててさ、実物見たいんだもん」

ネイサン・レイノルズ。スター・シャドウ群の次期アルファ。花形選手。誰からも愛される存在。そして、小学校の頃からずっと、私にとって最悪の厄介者。

「急げよ」エリックはにやりと私に言った。「バス、あと十分で出るぞ」

扉がバタンと閉まり、私は注意散漫な両親と、手つかずの誕生日だけを残されて一人になった。

「今日、私の誕生日なんだけど」小さな声で言った。「十八歳になったの」

母はちらりと顔を上げた。「あら!お誕生日おめでとう、かわいい子。週末に何かしようね?エリックのパーティーが終わったばかりで、計画する時間がなくて」

父もスマートフォンから目を上げた。「十八か。大事な日だな。今夜、狼が来るぞ」ぎこちなく肩をぽんと叩く。「変身のときは気をつけろ。初めてはきついこともある」

それだけだった。正式な狼人間への変化――誰もが一生待ち続ける出来事――が、通りすがりの一言と肩叩きに縮められた。

「ありがと」私はぼそりとつぶやき、リュックを抱えた。「牛乳、買ってくる」

――

学校はいつも通り、地雷原みたいな社交の関門だった。私は視線を落とし、人気者たちの視界に入らないように身を縮めながら、ロッカーへ急いだ。成績は優秀だ――学業より腕力が重んじられる文化では、何の得にもならないけれど。

午前の授業の途中、胸の奥がふわりと揺れるのを感じた。今まで何もなかった場所に、ぬくもりのある気配が芽を出し、身じろぎした。

『……ねえ?』声はかすかだったが、はっきりと女性のものだった。好奇心と戸惑いが混じった、慎重な響き。

私は席で固まった。ペン先がノートの上で止まる。その声は外から聞こえたんじゃない――頭の内側から響いた。

『あなた、誰?』私は心の中で返した。微分の話をだらだら続ける微積分の教師の前で、表情に出さないよう必死になりながら。

「カイアよ」その声は、さっきより少しだけ力強く答えた。「あなたの狼」

私の狼。十八歳の誕生日といえば、たいていは真夜中の交代の頃に目覚めるものだ。それが今日は、数時間も前――しかも微積分の授業中に。そんな話は聞いたことがあるが、滅多にない。狼が現れるのは十八歳の誕生日の夜であって、微積分の時間じゃないのが普通だ。

「どうしてこんなに早いの?」私は胸を高鳴らせながら訊いた。期待と不安がごちゃまぜで、心臓が速く打つ。

「今日は大事な日だから」カイアはそれだけ言った。「ここにいる必要があったの」

その日一日、カイアが内側で身じろぎし、少しずつ存在感を増していくのを感じた。けれどほとんどは静かで、ときどき何かにひと言だけ口を挟む程度だった。食堂の匂い(最悪)、ほかの生徒の振る舞い(意味不明)、ノートに描いた植物のスケッチ(面白い)――そんなことを。

彼女が一緒にいるだけで、ひとりぼっちじゃないと思えた。廊下をひとりで歩いても、クラスメイトの大半には見えていないみたいに扱われても。何年ぶりだろう、誕生日なのに、あそこまで孤独じゃないと感じたのは。

昼休み、私はいつも通りひとりで座っていた。食堂は相変わらず高校特有の騒ぎでざわめいていたが、今年はありがたいことに去年までよりずっと平穏だった。ネイサンが昨年卒業してくれたおかげで、日々の嫌がらせからは解放されていたのだ。

ところがサンドイッチの包みを開いたその瞬間、二つ向こうのテーブルから、メーガン――ソフィアの友達で、群れいちの噂好き――が甲高い声を上げた。

「今日、ネイサンが学校に来るんだって!」彼女は、身を乗り出す聞き手たちに向かって宣言した。「書類を取りに来るついでに、大好きな人たちに挨拶したいって、私にメッセージくれたの」

「ネイサンって誰?」カイアが興味深そうに訊く。

「会いたくない相手」私は答え、もう荷物をまとめ始めていた。

ネイサンが学校にいなかったこの一年だけが、私にとって唯一の平和だった。現ベータの娘として、卒業したら群れの活動に駆り出され、避けることなんてできなくなるのはわかっている。私の逃げ道は、こっそり提出した看護課程の大学出願の束だけ――どれもスター・シャドウの縄張りから遠く離れた場所だ。

「卒業式の日程を気にしてるって聞いたよ」メーガンの声がまた響いた。「夏のパーティーにどの子を呼ぶか、計画立ててるんじゃない?」

合図はそれで十分だった。私は急いでリュックを掴み、校舎裏の丘へ向かった。誕生日にネイサン・レイノルズと鉢合わせなんて、冗談じゃない。

丘は静かで、食堂で群れるのが好きな生徒はいない。私は薬草のノートを取り出し、先週末に見つけた植物のスケッチを描き始めた。小さな茶色いウサギがぴょこんと隣に寄ってきた。警戒心もなく、好奇心だけで。

「やあ」私はささやき、リンゴをひとかけ差し出した。「少なくとも、変な薬草少女だって笑わないよね」

「ウサギ!」カイアが急に身を乗り出したように気配を強めた。「追いかけて!」

ウサギは、私の中で目覚めた捕食者を感じ取ったのか、身体を強張らせてから弾かれるように走り出した。考えるより先に、私は跳ね起きて追いかけていた。狼の本能が私を支配し、視界のすべてが小さな獲物へと絞られていく。

「楽しい!」走りながら、カイアの歓喜が私の中で泡立った。ほんの一瞬、忘れ去られた誕生日も、透明人間みたいな扱いも、全部どうでもよくなった。追う快感だけがあった。

夢中になりすぎて、目の前に人がいることに気づかなかった。私は勢いのまま、硬い胸にぶつかった。強い手が私の上腕を掴み、よろけるのを支える。顔を上げた先にあったのは、今まで見た中でいちばん冷たい目だった。

ネイサン・レイノルズ。そりゃ、そうなるよね。

「ごめんなさい、私――」言いかけた。

だが、言葉は喉の奥で死んだ。視線が絡んだ瞬間、私たちの間の空気がふっと変わった。目に見えない電流が走り、全身を貫く。今日一日ずっと穏やかだったカイアが、突然、内側で轟音を立てて目を覚ました。

「番!」彼女が恍惚とした遠吠えを上げる。

「番!」その言葉が、ネイサンの唇から零れ落ちるのとまったく同じ瞬間に、私の口からも飛び出した。

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