第105章

ジュリア視点

朝食の席で、エリックが向かいの椅子へ滑り込むように腰を下ろした瞬間、胃の奥がきゅっと縮んだ。表情は読めない。だが、肩に張りつめた緊張が、何かがおかしいと告げていた。

「アルファ・レイノルズがおまえに会いたいそうだ」彼はコーヒーにクリームを混ぜながら言った。「今日だ。できるだけ早く」

かじっていたトーストの欠片が、指の間からぽとりと落ちた。「なんで? 私、今度は何をしたの?」

「言えない」エリックの目が一瞬だけ私を捉え、すぐに逸れた。「ただ……今回は俺を信じろ。いいな?」

「ネイサンのこと? あの件と関係あるの?」声が勝手に囁きに落ちる。

「十五分で支度しろ」彼は立ち上...

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