第109章

ジュリア視点

私はデスクチェアにもたれ、受話口を耳に押し当てた。ネイサンがアルファに就いて以来、いつの間にか日課になってしまった儀式の最中だった。母とのこの通話は、私にとって故郷へつながる命綱だ。実際にそこにいなくても、状況を測るための唯一の方法。

「今日はどう?」私はなるべく何でもないふうを装って尋ねた。

母はため息をついた。「だいたい同じよ。お父さんはまた遅くまで仕事。引き継ぎが……ややこしくてね」

「エリックは?ベータになって、うまくやれてる?」

「忙しそう。ネイサンが警備のローテーションを組ませてるわ」少し間があく。「それでね、変だなって思ったことがひとつあるの」

私は背筋...

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