第117章

ジュリア視点

アパートのドアを閉め、ふうっと息をついて背を預けた。マシューのキスの余韻がまだ唇にちりちりと残っている。ここ数時間の出来事は、まるで嵐みたいだった。

浴室へ行き、鏡裏の棚を開けて、洗顔料の奥に隠してあった小さな丸い錠剤のパックに手を伸ばす。狼男としての暮らしには便利なことも多いけれど、生殖の仕組みは人間と変わらない。白い小粒をぷちりとシートから押し出し、蛇口の水をひと口、手ですくって飲み下した。

鏡に映る自分を見つめながら、妙な感覚に包まれる。大人になったような、同時にひどく無防備なような。責任ある大人がすること――自分の身体と未来について、選び取るということ。

そのとき...

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