第157章

マシュー視点

ため息をつきながら椅子にもたれ、手が無意識に胸へと滑っていった。そこには、空洞のような痛みが居座り、もはや常連客みたいに住みついている。

『ジュリア……つがい……』ハティの低い唸りが、不承不承という色を帯びて意識の奥で響いた。

「分かってるよ」俺は誰もいない執務室に囁いた。

こんな状態を続けられるはずがない――責任と欲望のあいだで引き裂かれ、過去と、どうしても手に入れたい未来のあいだで揺れている。

視線の端に、絵はがきの束が入った。両親が世界を巡る旅の、写真による記録だ。

いちばん新しい一枚を手に取る。消印はノルウェー。息をのむほど美しいフィヨルドの端で、父が満面の笑...

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