第171章

ユリア視点

私はカルテを落としそうになり、驚いた子犬みたいにびくっと跳ねた。年配の看護師のひとり、クレアが、詮索好きで疑い深い目つきでこちらを凝視している。

「どう違うの?」私は平静を装いながら訊いた。

クレアは身を乗り出し、私の襟元から覗く痕の端に視線が引っかかると、かすかに息を呑んだ。「うそ……」彼女は囁いたかと思うと、きゃっと声を上げた。「刻印、つけられてる!」

顔に熱が一気に上る。「クレア、お願い――」

もう遅かった。彼女の小さな騒ぎで、みんなの注意がこちらに集まってしまった。あっという間に好奇心に満ちた顔と興奮した囁きに取り囲まれ、スタッフ全員が、私を見世物かなにかみたいに...

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