第179章

ジュリア視点

その会員制クラブは、目立たぬ顔でそこにあった――パリの中心部にある、なんの変哲もない石造りの建物。外観からは、内側に秘めた贅沢さなど欠片も窺えない。入口に近づくと、警備員が招待状の提示を求めてきて、私はわずかに手が震えた。怒れる患者たちとも向き合ってきたし、ネイサンの脅しだって受け流してきた。それでもこれは違った――国際的な集まりに、アルファの伴侶として初めて正式に出席する。その事実が、不安を螺旋のように膨らませていく。

マシューの腕は私の腰をしっかりと抱いたままだった。見知らぬ海を渡る私にとって、揺るがない錨のように。心のつながりを通して、彼の励ましが温かな蜜のように流れ込...

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