チャプター 181

ジュリア視点

ボーディングブリッジを抜けたころには、身体がもう自分のものじゃないみたいだった。地方空港の構内はむっとするほど暑くて空気も重い。けれどガラス扉の向こう側から、もう感じ取れる――ひんやりと湿った息づかいが。松の匂い。雨。冷たい金属と、その下に潜むジェット燃料のにおい。

マシューが隣を歩く。片手でキャスター付きのスーツケースを引き、もう片方の肩には私のぱんぱんに詰まった機内持ち込みを、まるで重さなんてないみたいに担いでいる。長いフライトのせいで髪は少し乱れ、顎には無精ひげが濃く影を落としていた。

到着ロビーに足を踏み入れると、私の中の狼――カイアが目を覚ます。自動ドアが開閉する...

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