チャプター 62

ネイサン視点

俺は実家の居間にある本革のソファにだらしなく身を沈め、ほんの数分でも眠ろうとしていた。苛立ちで頭がずきずきする。ここ数日は怒りと裏切りの渦で、何もかもが霞んでいた。何日か前の夜、エリックが一緒にいたことだけはぼんやり覚えているが、細部は霧の向こうだ。霧の向こうではないのは――そのあとの、あいつの裏切りだけだった。

「くそったれの裏切り者……」俺は吐き捨て、またスマホを取り出して確認する。新着はなし、着信もなし。エリックはもう何日も俺を無視し続けている。俺たちの友情より、あの情けない“妹もどき”を選んだのだ。

考えるだけで血が煮えたぎる。エリックは子どもの頃からの親友で、俺に...

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