チャプター 66

マシュー視点

領土の北側境界が、目の前に長くのびていた。鬱蒼としたマツとダグラスファーの壁が連なり、その先にはクレーター・レイク国立公園のぎざぎざした外縁が口を開ける。侵入の痕跡が見つかった地点へ近づくにつれ、ジェームズは黙したまま隣を歩き、表情を険しく硬くしていた。

深く息を吸い込む。研ぎ澄まされた感覚が、森の匂いを幾重にもふるいにかけていく。――いた。あらゆる自然の香りの底に、求めていたものがある。見知らぬ狼の、紛れようのない匂いだ。

「匂うか?」とジェームズが訊いた。

うなずき、しゃがみ込む。「薄いな。たぶん、少なくとも十二時間は経ってる」乱れた土の一角に指先を押し当てた。「でも...

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