第六十九章

マシュー視点

爪先から血がぽたぽたと落ち、俺はもう一匹のはぐれ狼を始末した。相手はほとんど抵抗らしい抵抗も見せなかったが、だからといって満足している余裕などない。

『ほかにはいるか?』俺は意識のリンクで警備班に問いかけ、ジェームズの負傷した身体を庇うように立ちながら森を見渡した。

『こちら異常なし、アルファ。残り三匹は南へ逃走しました』ライアンの返答が返ってくる。

俺は人間の姿に戻り、近くに隠しておいた服を手早く身につけた。「ジェームズ、どれくらいひどい?」彼も変化を終えるのを待ちながら、膝をついて問いかける。

顔色は蒼白だった。だが俺の目を引いたのは、彼の瞳に宿る痛みと喜びの奇妙な...

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