チャプター 85

ジュリア視点

ベッドに横たわり、カーテン越しに差し込む月明かりを受けながら、天井を見つめていた。思考は何度もマシューへと戻ってしまう――あの笑顔、笑い声、手を取ってくれたときのやさしい温もり。あの夕食の約束からまだ一週間も経っていないのに、それからの日々は、胸がふわりと跳ねる瞬間をいくつも連れてきた。

ネイサンと過ごしていた頃に比べれば、いまはまるで別世界だ。ネイサンといると、やり取りの一つ一つが計算で、言葉の一つ一つを罠にならないよう測っていた。そばにいるだけで消耗してしまった。でも、マシューとなら……息ができる。何年ぶりだろう、ただ自分でいるだけでいいと思えるほど、安心できたのは。

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