第九十二章

ジュリア視点

教卓の演台の前に並んで立った瞬間、マシューの腕が腰に回り、私は思わず体をこわばらせた。授業用の映像が流れ、教室は薄暗い。クラスメイトたちはスクリーンに視線を固定しているのに、私だけはどうしても「晒されている」感覚を振り払えなかった。触れ方は控えめで、腰に手が添えられているだけ――それでも同級生に囲まれたこの場では、危ういほど目立つ行為に思えた。

(マシュー、誰かに見られるかもしれない)私は思念のリンク越しに警告した。

青白いプロジェクターの光を頬に受けながら、彼がこちらを見下ろす。表情にはかすかな愉快さが滲んでいた。(みんな映像を見てる。こっちなんて誰も気にしてないよ)

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